土井先生
ミシマ社の対談を読む。一汁一菜の本は読みたいと思っていたが、エッセンスを少し読めた気がする。
<印象に残った点>
・家庭料理には他力が入ってくる、民藝のように。
・ハレの食事が増えている。カロリー過多や食品ロスに繋がる。
→資本主義が進んだ結果だと思う。「ほどほど」がムーブメントにならないか。
・もともとおいしいものを食べる
→人間が何でもできてしまう、という考えへのアンチテーゼ。
・食べることばかりが重要と思われがち。人・自然・道具、周辺含めたプロセスが大事。
・日々の訓練が未来への想像力や直観力を鍛えることになる。
→自然の中での循環を視野に入れる。(リンク:分解の哲学)
→茶道を学ぶ意義か?
・レシピにとらわれない。何かベーシックな考えを持つ。
→茶道の型
・利他はありがとうを超える。無意識。人間は器である。
・きれいという直観、仕事でも。
→数学の問題を解くときのきれいさ。
<感想>
ものがあふれた時代へのアンチテーゼとしての「一汁一菜」。土井先生はそのしゃべり方ゆえにキャラ立ちしてしまうが、その思考の深さにはうなった。
通っていた仏教系学校でしか聞かなかった「利他」という言葉が広まっているのも、自分の欲望を追求し続ける資本主義への反動ではないか。経済活動が制限されるコロナ禍という環境下では更に如実だ。
何事にも、人間(もしくは自分)を中心に置かずに、周辺・外・対象への直観を頼りにしたい。