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悪人

昨日、本屋で目に付いた本、
吉田修一「悪人」を買って読んでいました。
内容は殺人事件がらみのもので
おもしろく、すっと読めました。
出てくる人物も多彩ですし、
場面が何層にも重なっていて、
なかなか奥行きのある物語でした。


なにをもって悪とするか、という疑問を
最後に感じさせられました。


「加害者」と「被害者」、この違いは何のか?
どちらにもなってしまう可能性を誰もが持っている。


何かを得たり失ったりする、
その中で「加害者」と「被害者」が出てくる。
それを端で見て笑っている奴が、
最もタチが悪い。


そんなことを読み終わってから思いました。


「善悪」
日常の些細なレベルから、
人の命に関わるようなレベルのものまでに、適用されます。


恋愛だとか、お金だとか、プライドだとか、そういったものには、
その「善悪」というものが常に付きまとっています。
そこに踏み込まなければいけない時がある、
しかし、そのことを今の人たちは回避しているのではないでしょうか。
ある登場人物の一言に、そういうことを感じ、
自分も心当たりのある思いがしました。


単行本が出た当時から気にはなっていましたが、
今回、文庫になっていたので買ってみました。
映画化されるらしく、キャストは
妻夫木聡深津絵里
いつぞやの月9を思い出しますが、
本を読んでいるときに二人の顔がちらちら浮かんだことは事実です。


この本、台詞がすべて九州訛りになっており、
そのことを考えて九州出身のこのふたりをキャストしたのではないかと
思っています。


久しぶりに読んだ現代小説でした。


悪人(上) (朝日文庫)

悪人(上) (朝日文庫)